フローベールの小説『サランボー』を読む ①
19世紀フランスの作家フローベールの小説『サランボー』を読んでいる。古代カルタゴの戦いを題材にした小説である。
- カルタゴの頭領は、ハルミカル。カルタゴ共和国は、ローマなどと戦争をしていたが、兵隊は大半が傭兵ということで、お金で雇っていた。ただし、その給料の支払が不十分で、傭兵がカルタゴに対して反乱を起こす。その反乱の物語である。
- カルタゴ側は、頭領のハルミカル。反乱軍は、その頭領がマト―、その弟子であるスペンディウス。厄介なのは、反乱軍のマト―が、敵側のハルミカルの娘、これが小説のタイトルともなるのであるが、サランボーに恋い焦がれてることである。
- この小説を読みながら驚いているのは、古代であるにも関わらず、共和制やら議会などの政治機構が整っていることである。また、水道や宝飾器具、ガラス、馬車等が、19世紀初頭と変わらない形で整備されていることである。少なくとも小説を読みながらそう思った。