読書メモ・注釈

文学など理解用の読書メモです。

『プヴァールとペキッシェ』を読み終える

2/11/19(月)、ようやく読み終える。1/7/19からなので、1ヶ月もこの小説を読んでいた。この調子だと一年で10冊程度か。

『プヴァールとペキッシェ』は、フランスの作家ギュスターヴ・フローベールの遺作。物語は、 47才のパリっ子で、筆耕の仕事に従事していた二人が出会い、遺産もあり、フランスの片田舎で、農学・医学・天文学・政治・文学など、ありとあらゆる実学・学問を踏破し、批評する小説だ。

最後は批評が過ぎ、村人たちに煙たがれ、筆耕屋に戻るという結末。しかし作品は、59才を迎えた作者の死で未完に終わる。誰かがコメしていたが、日本で言えば、漱石の『吾輩は猫である』を人間2人にした感じであろうか。

これまで『ボヴァリー夫人』『サランボー』、『感情教育』『聖アントワーヌの誘惑』『三つの物語』『紋切型辞典』を読んできたが、この『プヴァールとペキッシェ』を加えて、フローベールはこれだけの作品しか残していない。

短編 ・習作を含む初期作品は、まだ読んでいないが、上記の三冊分位ある。

愛弟子のモーパッサンは、『プヴァールとペキッシェ』が刊行された直後、コメントを寄せているが、本小説を「百科全書的」「哲学小説」と呼んでいる。