読書メモ・注釈

文学など理解用の読書メモです。

「混沌」から「発生」へ

7/12/19(金)の夜、部屋にあった『ドゥルーズ入門』を取り出し拾い読みした。

ドゥルーズ入門 (ちくま新書)

ドゥルーズ入門 (ちくま新書)

◆ 発生とビッグバン

「発生」が『差異と反復』では問題とされているという(檜垣立哉ドゥルーズ入門』ちくま新書)。これは、井筒俊彦ウジノ『コスモスとアンチコスモス』で議論されていることと、似ているように思う。

最初は、何もない、形も。しかし、形あれではないが、一撃の声とともに、あるいは、光あれとともに、形が発生し始める。宇宙の開闢と同じである。ビックバン、細胞の発生とも同じである。

『聖書』、『古事記』、『コーラン』等の本も、このような発生を記述しているのではないか。そして、混沌が発生するのは、見えるようになることであり、形になるということである。

見えるようになるとは、形を必要とするので、形態として、すなわち、個体というカタチを取らなくてはならない。個体の発生である。

混沌、カオスついでに、哲学者は、カオスを持ち帰ることを、ドゥルーズ=ガタリは、『哲学とは何か』で議論している。